Fender USA Eric Clapton Stratocaster
Guitar Repair of the Day
Fender USA Eric Clapton Stratocaster
90年代前半に作られた Torino Red仕様のクラプトンモデルのストラトです。
珍しいカラーですね。
フレット交換
持ち込まれた状態は、かなり弾きこんで低くなったフレット、ビビりの多いナットでした。
フレット面がガタガタで錆びもでており、指板の状態もあまりよくないですね。
5~7フレットエリアはほとんど残っていません。
さあ、いつものようにネックジグにかけて作業していきます。
まずは現状確認。
ネックに反りがある場合は、この時点で真っすぐに合わせます。
ストレートになったネックに弦を張ってネックジグ上のメモリを0に合わせます。
弦を張ってストレートになった状態を記憶して作業する事で、指板を削った後、フレットを打った後、フレットを研磨した後、それぞれの段階で、なるべくネックが真っすぐな状態をキープしながら作業出来ます。
弦を張って真っすぐにしたネックも、弦を外してテンションが変わった状態で研磨、また弦を張ってストレートにしても、完全には真っすぐになりません。
ネックジグを使用すると、正確に、早く作業が行えるのです。
弦を外して、もとの0の値に調整。
フレットを少しずつ温めながらフレットを抜いていきます。
メイプル指板なので、塗装の境に切れ込みを入れるのも忘れずに。
フレットを抜き終わった指板は、先ほど弦を張った状態と同じ位置にしてみると、これだけデコボコがあります。
指板ファイルで研磨していきます。
高さを揃えつつ、指板のラジアスに合わせてアールをつけていきます。
研磨後は真っすぐに。
指板塗装
この時点でシーラーと、若干の生地着色を行っておきます。
トップだけで色味を合わせるより、立体的に、経年で焼けた状態を再現出来ます。
フレット打ち込み
フレットを入れていきます。
フレットプレス時に、均一に高さを揃えながら打ち込むので、削る量は最低限で済みます。
高い部分のみ研磨後
何度かの研磨工程を経て、仕上げ。
その後、色合わせ。
何度かの吹き付け調整をして
ほぼ同じ色合いになりました。
ナットも新しくして完了。
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