GIBSON Les Paul Standard
Repair of the Day
ギブソン レスポール スタンダード
そんなに古いモデルではないみたいです。
中古で手に入れたようで、ネック、フレット、電装周りも何も問題無く、綺麗な状態でした。
フレット交換
オーナーさんは普段、ミュージックマンなどのステンレスフレットのギターを弾く事が多く、こちらのレスポールもステンレスフレットへ打ち換え希望。
ネックジグにセットして交換作業を行っていきます。
ほとんど減っていないフレットでしたが、順に抜いていきます。
指板も損傷が無く、綺麗に抜けました。
指板すり合わせ
指板もオリジナルと同じ12Rでの調整。
そんなにデコボコは無いですがフラットにします。
軽い調整でストレートになりました。
ステンレスフレットの足が少し長いので、少しだけ深めにスロットを掘りなおしました。
これでフレットを打つ準備が出来ました。
フレット打ち
今回はJescarのジャンボ ステンレスフレットを使用。
レスポールなどはバインディングがあり、フレットの端をカットし打ち込んでいきます。
22本のフレットをスロットのサイズに合わせてタングをカットしバリをヤスリで取る作業、あっという間に時間が経ちます。
軽くハンマーで打ちこんでから、フレットプレスで挟み込みます。
1本1本挟みこみ高さも確認。
全て打ち終わりました。
フレットすり合わせ
続いて弦を張ってフレット上部のすり合わせ。
ハイフレットとフレットエンドのガタツキをすり合わせていきます。
すり合わせ完了。
続いて平になった頭を丸くシェイプしていきます。
各部処理を行ない、磨き上げました。
ステンレスフレットは通常のニッケルフレットに比べ、硬さがあるので相対的にそれぞれの処理に時間が掛かります。
ペグ交換
続いてペグ。
通常のタイプからGOTOH製のロックチューナーへ交換。
ノブの見た目は同じタイプですが、裏にロック用のネジがあり、簡単にロック出来ます。
これでチューニングの狂いが大分なくなりました。
ピックアップ交換
続いてピックアップを交換。
こちらのレスポールは純正でバーストバッカーが搭載されていましたが、使い慣れているSuhrのTHORNBUCKERへ交換。 PETE THORNのモデルですね。
本当に意味不明なアースプレート。
撤去します。
今回はトーンを一つだけスイッチ付きPOTへ変更し、コイルタップのON/OFFとしました。
こちらも見た目は変わらないですが、音は別物。
本当にSuhrのピックアップは素晴らしい。繊細なタッチも拾ってくれるし嫌なコンプレッションが無くレンジが広いです。 ピッキングの粗が全部出てしまうピックアップ。上手ければ上手いほど使いこなせる奴です。
ナット交換
弦を張る前にナットも交換。
樹脂製のナットからボーンナットへ。牛骨です。
接着剤無しで外れないくらい隙間なくぴったりに収めます。
今回は09-42の溝へ加工。
通常のレスポールは10-46の穴加工がされています。
これに09-42などの細いゲージを張ると隙間があるので、使用していくうちにその隙間がどんどん大きくなり、嫌な鳴きが生じてきます。
弦のゲージを変える時は、必ずナットを交換して下さい。
チューニングを合わせて完了。
どこを弾いてもストレス無くスムーズなフィンガリング。
イントネーションもばっちりで、コードのボイシングにも濁りや減衰がありません。
ステンレスフレットに変えた人のほとんどが、「もうステンレス以外に戻れない」って言いますね。
本当その通り。
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