GRECO SE700W
Repair of the Day
GRECO SE700W
1977年製のグレコ ストラトキャスター
見方によっては淡いピンク色に変化したカラー
フレット状態
現在のフレット状態
40年位を経過して諸々すり減っていました。
2弦部分は指板につきそう
ネックジグ
新しいフレットに交換します。
フレット交換には必須のネックジグ。
弦のテンションを掛けた状態と同じ状態でネックに負荷を掛けて、指板をストレートに削ります。
一旦弦を張っている状態の負荷を計測。
弦を外してテンションが緩んだ分を、ヘッド側を持ち上げ弦を張った時と同じ状態に合わせます。
ネックジグを使わないでフレット交換したものは、順反りになっている事が多く、フレットを打った後にトラスロッドを合わせてストレートにするのでハイフレットを多く削る事になります。
ネックジグは本当に合理的で素晴らしい。
この状態でフレットを抜きます。
全て抜き終わりました。
指板調整
フレットを抜いた後、弦を張らないで指板を削ってストレートにしても、弦を張ったら弦のテンションで必ず順反りになります。ネックジグを使用した場合、ずっと弦を張った時のテンションをネックにかけているので、完全なストレート状態を作れます。この研磨作業が一番大事。
フレット打ち
ストレートが出たらフレットの溝を新しく打つフレットの幅、深さに合わせて調整。
今回はJescarの一番人気のサイズ、55090のニッケルを使用。ステンレスも選べます。
フレットを各ポジションの長さに合わせて事前にカットし準備完了。
ボール盤にプレスハンマーをセットし打ち込んでいきます。
ネックの指板の状態にもよりますが、古いギターの場合は指板のフレット溝が柔らかくなっているので、プレスの際に接着剤を一緒に流し込みます。プレスで暫く押さえながら1本づつ打ち込んでいきます。
どんどん打ち込んでいきます。
一番最後のフレットまで打ち終わりました。
フレットエンドをカットして完了。
この後はすり合わせ。
ナット交換
すり合わせの前にナット交換。
溝にピッタリとフィット。
フレットすり合わせ
ナットを固定し弦を張ってすり合わせを行います。
この時も弦を張ってテンションを掛けたまますり合わせが出来るブロックがあるので正確にフレットのデコボコがストレートになります。
フレットの頭を揃えたら、丸い形状にする為角を三角ヤスリで落とします。
バフ掛け前。
端末も綺麗に丸みを出して指に引っかからないように仕上げます。
新品っぽいフレットの状態よりは少し丸みを帯びた指板エンド。
角が当たると痛いのでフレット、指板末端ともに落としています。
詰まりもビビりも無く生まれ変わりました。
お父さんが使っていた40年前の思い入れのあるギターも今やボロボロな状態。
でもフレット交換やコントロール部の交換などで昔と同じ状態に戻して、息子さんや娘さんが引き継いでいる方がとても多いです。
安い新品のギターより断然おススメします!!
ギター、ベース等の修理は お気軽にご相談下さい。
お願いいたします。