Gibson TAK MATSUMOTO モデル
Repair of the Day

Gibson TAK MATSUMOTO Double Cutaway

B’z の松本孝弘氏のシグネチャーモデル。

キルとトップのメイプルがアクアブルーで鮮やかに浮き上がっています。
フレット状態

フレットを交換します。
ネックジグ

数十本のギターをお持ちで、全て自分でフレット交換したいから、道具を一式買ったけど全くやり方が分からない^^という。
ネックジグは写真のように治具にセットし、弦を張った状態でフレット交換が行えます。
厳密には弦を張ってテンションが掛かっている状態を、弦を外しても維持する事が出来る装置です。
これでフレットを抜いて指板を修正するのに、正確に真っすぐ研磨が行えます。

トラスロッドを調整しストレートにします。


フレット抜き

フレットはかなり錆びて、溝は青錆だらけでした。

指板調整 研磨


テンションが掛かった状態で、このようにストレートになれば、フレットを打ち込んで弦を張った後も、かなりストレートな状態を保つ事が出来ます。
ネックジグを使わずにフレット交換した場合、ハイフレットがビビる、という場合が結構多いようです。

指板のアールも綺麗に揃いました。

溝も綺麗に調整し指板作業完了。
この後フレットを打ち込んでいきます。
フレット打ち


レスポールにはバインディングがあるので、溝は完全には切っていません。
端の部分だけフレットのタングをカットし、バインディングの上に乗せるように打っていきます。


ハイフレットはクランプの機械で挟みます。

サイドの出っ張りは切り落とします。
サイド研磨、フレット研磨

これも優れもの。
弦を張ったままフレット研磨が出来る研磨ブロック。

綺麗に指板を調整してフレットを打っても、どうしてもデコボコが出来てしまいます。
少し高いサイドやハイフレットの高さを揃えます。

少しだけサイドの出っ張りを研磨。
最後にもう一度微調整します。
フレット頭出し

フレット研磨でデコボコを平にしたので、1本1本アールをつけていきます。

アールをつけて研磨。
この後バフ掛けします。


スチールウール、バフ掛け、コンパウンド磨きを経て指板にオイルを塗りました。
ナット製作

続いてナットも交換。

スロットにぴったりフィットするように何度か削りながら調整します。

少しキツイ位、ぴったりフィットしました。
サドル、テールピース交換

弦を張る前にサドルとテールピースも交換。こちらは作業前の状態。
だいぶ錆びていて、サドルは動かなくなっています。




弦を張ってナット溝を調整。


完成してギタースタンドに立てかけていると、お客さんがこのギターに注目します。
日本人の方なら、「あっB’zのモデルだ」と思うんでしょうけど、外国の方はこのモデルに見覚えが無いらしく、とても不思議そうに見ていく方が沢山いました。
中には「中華製のコピーか?」って聞く人も^^
ダブルカッタウェイは見慣れないんでしょうね。
質問してきた全ての外人さんに、このモデルの経緯を説明させられました(笑)
凄いなーと思ったのが、カスタムショップのシグネチャーモデルの意味が分かる人は、直ぐにスマホを取り出しYoutubeで検索を始めた事でした。
みんなB’zの曲の視聴回数を見て納得していました。
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