Guitar Repair of the Day
Fender American Deluxe Vintage Player ’62
2005年製フェンダーアメスタデラックス。
60年代のデザイン、シェイプを基にラジアス値やフレットサイズを現代風にアップグレードしたモデルです。
コントロール部もS1スイッチとスーパースイッチを搭載して、多彩な音作りが可能です。
今回はこれを通常のSTの配線に戻したいという依頼。
S1スイッチはボリュームノブの真ん中のスイッチを押す事で通常の3Sのピックアップ配列を直列(ハムバッカー)にしたりフェイズサウンドを加えたり出来ます。但し切り替えの接点がかなり多くなるので、通常の配線と比べてダイレクトなレスポンスが遅く感じます。
スイッチや配線方法でサウンドの引き出しを増やすか?
配線は極力シンプルに劣化を少なくし、ピッキングのタッチでダイナミズムをつけるか?
ジャンルやスタイルに合わせてPUの選定や配線方法がポイントになりますね。
これだけ多くのスイッチ、接点、配線が行き来しています。
メインのボリュームポットを通常の250KΩの物に交換し、スイッチをスーパースイッチから通常の5点式レバースイッチに交換しました。
またリアとセンターのトーンを共通にしています。
今回は同時にナットの交換も行いました。
写真のように弦の各溝スロットがかなり減って低くなっており、ビビりが生じておりました。
切り出した牛骨にてナットを成形します。
先ずはナットスロットに合わせて切り出し、幅を合わせます。
奥から蛍光灯を当てる事でナットスロットの微妙な隙間を確認出来ます。
きつ過ぎず緩すぎず、ぴったり収まるまで調整します。
一旦弦を張り溝を切り出していきます。
最終的に高さが決まったところでナットの上面を磨いて最終仕上げ。
沖縄はいよいよ梅雨に入ります。
長い事使っていないギター、押し入れにしまいっぱなしのギター、ネックの状態が不安定になっているところに、梅雨の湿気が入り込んでいく時期です。
沖縄でのギターの管理、保管方法は、必ずこの時期にギターをケアする事が大事です。
この時期にギターを適切に管理しないと、梅雨が明け湿気が下がった途端に、反り、ねじれ、波打ち、ヒビ、割れ、などの症状になる事が多々あります。
ギターのメンテナンス、調整などはご相談下さい。
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