YAMAHA SG-3000
Guitar Repair of the Day
YAMAHA SG-3000
ヤマハのSGシリーズの中でも最高峰グレードの3000。
こちらは80年代の個体でした。
フレット状態
今回は低くすり減ったフレットの交換。
フレットトップがすり減り形状がラウンドでは無くフラットになってしまうと、音詰まりやサスティンが無くなります。
また隣り合うフレットとの高さが違うと音詰まりになります。
ネックジグにセットして弦を張った状態でネックのストレートをチェック。
少し順反りだったので、この時点でストレートに調整します。
フレット抜き
弦を張ってネックがストレートになった状態をメモリする為に、ネックの下にあるゲージのメモリを0にセット。
このままフレットを抜きます。
全て抜き終わった状態。
指板修正
ストレートに合わせたとはいえ、フレットを抜いた指板面はガタガタになっている事が多いです。
真っすぐな指板にする為にサンディングブロックで研磨します。
真っすぐに研磨し終わった指板面。
フレット準備
40年近く弾いてきて今後は交換しなくてもいいように、メンテナンスフリーなステンレスフレットへと交換しました。
ステンレスは通常のニッケル製に比べ硬度が高くとても硬いです。
フレットのタングの長さに合わせて溝の深さを調整。
ネックにバインディングがある場合予めフレットのタングをカットしてフレット溝に合わせるのですが、カットするのも硬いので時間がかかりますね。
いよいよフレットをプレスしていきます。
フレット打ち込み
数回ハンマーで打った後、均一に溝に入るようにプレス機で挟み込みます。
2台のプレスを使ってローフレット、ハイフレットから一気にプレス。
セットネックやスルーネックなど挟み込めないハイフレット部は、別の形のプレス機で挟みます。
全て打ち終わった状態。
今回はフレットエンド部を事前にカットして丸めておきました。
一旦弦を張ってフレットの状態をチェック。
段差は少なかったです。
フレットすり合わせ
トラスロッドの効きも良くネックのコンディションも安定してたので、すり合わせも少なく済みました。
すり合わせ後はトップ面をマーカーで印してラウンド状に仕上げます。
ラウンドになる一番頂点は高さを揃える必要があるので削らず、角ばった部分のみを丸めていきます。
コンパウンドを経て完了。
ピカピカに光っています。
ナット交換
続いてナット。
フレット交換をする際は、すり減ったフレットよりもフレットの高さが高くなるので、それに合わせてナットも交換が必要となります。(ロック式ナットを除く)
今回は牛骨ナットを使用。
ナットスロットの接着剤を取り除きます。
溝に対して少しきつい位に隙間無く成形。
弦を張って溝調整。
最終チェックをして完了。
SGシリーズは塗装が白濁するケースが少なくないのですが、コンディションよく保管されていたのだと思います。
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