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Gretsch 6119 Chet Atkins Tennessean – フレット交換、ネックヒーター

サウンドハウス

Gretsch 6119 Chet Atkins Tennessean

Guitar Repair of the Day

Gretsch 6119 Chet Atkins Tennessean

グレッチのテネシアン。

67年製のチェットアトキンスモデル。

風格漂うエイジングの進んだ外観。

フレット状態


製造から50年近く経っているのでネックがかなり傷んでいました。

今回はフレット交換と同時に歪んだ指板の修正を行いました。

指板は凹みが多く、フレットはほぼ無くなっている場所もあります。

0フレットもガタガタでビビり音が酷いです。

ネックは順反りなのですが、波打ったように歪み、ハイフレットエリアは跳ね上がりがあります。

ネックヒーター

フレットを抜く前に、何回かに分けてネックヒーターを当てて歪んだ部分の修正。

特にハイフレットの歪みを重点的に修正。

時間を空けながら、数回に渡って熱処理、冷却を繰り返しました。

当初トラスロッドはかなりキツイ状態で余裕も無かったのですが、一旦緩めてからネックヒーターを行い、トラスロッドに余裕がある状態でこれだけストレートに戻りました。

フレット抜き

それではフレットを抜いていきます。

指板調整

ネックジグにセットして弦を張ります。

ネックがストレートになるようトラスロッドの調整を何度も繰り返します。

真っすぐになったところでメーターのメモリを0にセット。

弦を外し、0のメモリに合わせてネックにテンションを加えます。

バインディング修正

これから指板修正を行うのですが、フレット挿入時にバインディングが無いと処理できない為、欠けたバインディングを足します。

色の近いバインディングをカットして少し汚し、欠けた部分に接着。

指板を研磨してストレートを出します。

足したバインディング部分に少し割れを足して着色。

この時代のグレッチのサドルはアールが20位。

それに対して指板は14だったり16だったり。

かといって指板をサドルに合わせたらフラット過ぎるので今回は16に合わせました。

かなり仕上がってきました。

定規を当てながら隙間を確認。

同時にフレットの溝も一定の深さになるよう揃えていきます。

フレットを打つ前の下作業だけで、丸一日掛かります。

フレット準備

ようやくフレットを切り出せます。

指板のアールに合わせてフレットを曲げます。

0フレットは少し太めのサイズのフレットにて製作。

先にセットしておきます。

フレット打ち

フレットを入れる際にハンマーも使って挿入するのですが、バインディングの状態が脆いので今回は1本1本プレスしていきます。

ハイポジションは特に大変。

全てのフレットが打ち終わりました。

フレットすり合わせ

さあこの後すり合わせ。

一旦弦を張ってネックジグにセット。

軽くフレット上を研磨して、フレットをラウンド状に仕上げていきます。

研磨、コンパウンド仕上げを行います。

すり合わせ完了。

指板サイドも少しエッジを落とし、角が当たらないよう仕上げてます。

オールドギターは長い年月を掛けて腐食したり変形しているので、修理に入るまでにそれらの修正に時間が掛かります。

工程が倍くらい増えるので手間と時間が掛かりますね。

30年以上経過したギターのネックは一旦リセットしてフレットを打ち直す事でネック本体の調整、指板調整等を経てコンディションが戻りますよ。

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