Guitar Repair of the Day
Gibson Custom Shop The INSPIRED BY Series Okuda Tamio Les Paul OT Special
次に多いのがフレット交換・研磨。
このギターは少し前のリペアでしたが、珍しいカスタムショップの限定物 奥田民生氏モデル。
ところどころフレットが浮いていてデコボコもありました。
発売から10年近く経っているのでフレット研磨します。
フレットのがたつき、浮き、研磨の際は、写真の指板フレット表を用いてカタカタのあるポイントを記入していきます。
持ち込まれた時点(弦を張ったまま)、弦を外した状態、フレットプレス後、研磨後、など作業ステージ毎に計測していくと、癖が見えたり、プロセスが分かりやすく作業出来ます。
フレットのがたつきを計測したらネック冶具にかけて研磨を始めます。
いつものように弦を張ってネックにテンションが掛かった状態をメモリします。
弦を外すとネックが逆反り気味になります。
この状態で研磨・削っても、弦を張ってストレート定規で計測すると、フレット上は反りが出ますね。
修理は時として、リペアマンの力量や感、経験にばかり頼らず、機械的に、理屈的に、オートマティックに進める事も大事ですね。
PLEKほどの正確性は無いのでしょうけど、うん千万円のPLEKと 何万円のNeck Jigでの作業。
自動と手動
ネックに弦を張ったテンションを加え、フレットのデコボコを削っていきます。
研磨後、フレットのトップが平に(横から見ると台形に)なってしまったので、半円のシェイプになるよう、1本1本角を削って丸くします。
私はこの三角やすりのみで最後まで仕上げます。
他にも様々なフレット研磨用のヤスリで試しましたが、これが一番コントロールし易いです。
角を取って丸くなったフレット。
紙やすり、スチールウール、研磨剤でピカピカに。
極力削り過ぎないように、高さを保ちつつ、研磨後のがたつきは皆無に。
フレットの交換や研磨の後はナットも交換してバランスを整えます。
研磨後はフレットが低くなるのでナットの溝を削るだけで調整出来る場合が多いですが、同時にフレットの研磨が必要なギターは、一部の弦のナットの溝が極端に低かったりする事も多いです。
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