Guitar Repair of the Day
ESP LTD EX-400 Black Diamond Plate
メタリカ仕様なエキスプローラ―。
フレットが相当減っていたので研磨しました。
通常なら交換レベルな減り方だったのですが、
多分6100ジャンボフレットだったので擦り合わせを行いました。
弦を張った状態のテンションを保ちながら研磨できる治具 “ネックジグ” を使います。
ネックジグとは・・・
通常、ギターは弦を張っていない時に比べて、
弦を張った時はネックが順反り気味に曲がります。
この状態で、なるべくフラットに近いセッティングにするのに
トラスロッドを調整しフラットに近い状態にしてギターを弾くのですが、
一旦弦を外すと 少しづつネックが逆反り方向へ戻ります。
弦を外して、その状態でフレット面をストレートにセッティングし、
また弦を張れば順反り方向へ・・・
ネックジグとは、下の写真のように冶具にギターを乗せて 弦を張った状態で、
弦を張った波力をネックの下の丸いスケールに記憶します。(0の値をメモリします)
弦を外し、ネックのヘッド側を弦を張った時と同じようなテンションを加え、
下の丸いスケールが ”0” の状態になるよう調節します。
この ”0” になった状態が、弦を張った時と同じ テンションの掛かった状態なので、
この状態のまま、研磨を行います。
ネック全体にマスキング処理をし
大体の研磨が終わった状態です。
綺麗な状態になりました。
削れてデコボコだった時と比べ全体を削るので当然フレットが低くなります。
このフレット高に合わせナットを調整し弦を張った状態。
ジャックプレートも破損していたので交換しました。
ジャンボフレットでなくても、フレット交換で無く 擦り合わせで解決する事も多いです。
このネックジグを使えば、余計に研磨する事も無く、また理論的、
合理的にネックの波力に合わせて擦り合わせが出来るので、安心して作業出来ます。