Guitar Repair of the Day
GIBSON Custom Shop Les Paul Custom
ネック折れ
カスタムショップのレスポール、ネック折れの事例です。
これも折れてからかなりの時間置いていた様で、ヘッドストックに曲がった癖がついていました。
ネックが折れた時は、例え小さなヒビでも必ず弦を外して下さい。
折れてからの時間が短ければ短いほど修理し易くなります。
中にはお店に持ち込まれた時点でパンパンに弦を張っている物もあります。
折れた（割れた）境目が開く一方なのでお気を付けください。
今回のギターはかなり奥までクラックがあったので、二本のメイプル補強材を入れて、その後少しだけボリュートを付けるべく、マホガニー材を張り合わせました。
接着、塗装後は全く割れ目、接ぎ木の線は見えず、自然なバースト仕上げになっています。
では作業を見ていきましょう。
まず、割れた部分に注射器で接着剤を塗り、クランプします。
最初に少し薄めた接着剤を入れて木に浸透させます。
その後原液を入れてクランプではみ出てくるぐらい、まんべんなく塗っていきます。
このまま1週間ほどクランプします。
接着、クランプ後の状態です。
ピッタリくっついていますが、強度は少し物足りないですね。
補強材
今回は補強材を入れる事にします。
割れ目によって補強材の種類、場所、長さなどを考えていきます。
マスキングで位置を決めてトリマーで掘っていきます。
少し位置をずらして掘りました。
掘った穴のサイズにピッタリ合ったメイプル材を埋め込みます。
これまた数日クランプして固めます。
その後飛び出したメイプル部分を削り、強度を高めるべくボリュート加工します。
カット面を冶具に合わせてトリマーで掘っていきます。
メイプル補強を半分位残しつつ、その上を木目を合わせる為＆ボリュート加工する為にマホガニーで埋めます。
またまた挟み込んで数日待ちます。
固着後、丁寧にノミ、カンナで成型。
ボリュート仕上げ
こんな感じで、オリジナルの状態より少し長めなボリュートにしてみました。
ただしローコードを弾いた際に、当たって違和感がある感じでは無いです。
着色・塗装
その後、生地着色。
アニリンを使った着色です。
ベースカラーに少しずつ色を重ねながらバースト処理します。
なるべくシースルー感をだしつつ、継ぎ目は見えない程度に仕上げます。
元が、かなり年期の入った状態で、塗装が剥げてゴワゴワした感じだったので、似たような質感にしてみました。
細かな修理内容のご相談、金額の確認、などお気軽にお問い合わせ下さい。
ギター、等の修理は お気軽にご相談下さい。
お願いいたします。
