Guitar Repair of the Day
Aria Acoustic Guitar
かなり古いAriaのオールドのアコギ。
とても良く響く乾いたトップ、バックの個体でした。
但し40年近くフレット交換していなかたので指板はボロボロに。
えぐれた部分は埋めて補修します。
少し順反り気味ですね。
サウンドホール内からロッドを調整します。
弦を張ってストレートになった状態で、いつものようにネックジグにかけて調整します。
弦を張った状態をゲージで確認し、その位置をメモリしたら、弦を外します。
指板上にオイルをたっぷり塗って、フレットを半田こてで温めながら慎重に抜いていきます。
フレットスロットに適度に水分があってフレットが温まってくると、すーっと抜けていきます。
フレットを抜いた状態の指板は ガタガタ。
スケールでストレートを図ってみると、かなりデコボコになっていますので、指板を完全にフラットな状態になる様、徹底的に追い込んで削ります。
ネックジグを使ったフレット交換と使わない場合と比べ、このネックジグを使う事による作業の精度が、この後のフレットを打つ(プレスする)精度に繋がり、フレットをすり合わせする量を少なくし、均一でムラのない仕上がりになります。
まずはストレートのブロックでデコボコを無くします。
かなり真っすぐになってきました。
次に指板のラジアス(アール)に合わせて、ラウンドのついた専用のブロックに紙ヤスリを張って研磨します。
何度も何度もラジアステンプレートを置いては削り直し、全体が均一になるように調整。
綺麗にアールがついて、真っすぐになりました。
このラジアスのカーブに合わせて、フレットを曲げていきます。
フレットスロットを交換するフレットの足の高さに合わせ調整し、フレットを切り出しておきます。
用意が出来たら、フレットプレスで打ち込んで(挟み込んで)いきます。
プレスの使えないポジションは、写真のような治具にて挟み込みます
一通り挟み込み終わったら、隙間が無いか確認し、隙間のあるフレットはハンマーで叩いて修正します。
フレットのえぐれたエリアは、エポキシにローズを混ぜて補修していました。
表面を研磨すれば、触った状態では全く段差、継ぎ目が無くなります。
フレットサイドを綺麗にドレッシングして、フレット面の研磨準備に入ります。
弦を再び張って現在の状態を確認し
ストレートを確認した状態で弦を外し、フレットを研磨します。
ほとんど削らずにすみましたが、この作業に一番神経を集中し、細かく調整していきます。
全て作業が終了し、ピカピカになった状態です。
フレットを交換した場合は高さが上がるので、ナットも新しい物に代える必要があります。
今回は牛骨ナットへ交換。
スロットにぴったりと隙間が無くなるように調節して
弦の溝を掘っていきます。
完成し、引き取りの際に 更に弦高を下げるべく調整を行いました。
12フレットで何ミリ以下、などの指定で下げる事も可能ですが、運指のし易さを取るか? 弦振動が最大まで大きくとれる弦高を維持するか?
これはプレイスタイルによっても変わってきますが、そのギターの持つ状態、ポテンシャルによっても、ベストな状態は変わってきます。
それぞれのギターに合わせ、それぞれのプレイスタイルに合わせ、そのバランスを取りながら調整しております。
引き続き フレット&ナット交換キャンペーン開催!!
10月は、フレット交換とナット交換を
30,000円(税抜き)
にて行います!!
フレットは、
ニッケルフレット(通常のフレット)
Stewmac製、Dunlop製、Jescar製 よりお選び頂けます。
サイズは各種取り揃えてあります。
店頭に打ち代え済のギターが並んでおりますので、フレットの種類、高さ、打ち代えクオリティを
確認してみて下さい。
ステンレスフレットをご希望の方は、30,000円+5,000円
トータル35,000円(税抜き)にて 交換致します。
ステンレスフレットは
Freedom製、Jescar製 よりお選び頂けます。
店頭にて ステンレスに打ち換えたギターも試奏可能です!!
※メイプルフレットの場合は、フレット交換の際に指板を削る必要があるので
交換後に塗装が(トップコートのみ)必要となります。
メイプルフレットの場合は、上記料金+10,000円(税抜き)となります。
フレットを交換する場合は、現在のフレットよりもフレットの高さが高くなるのでナットの交換が必要となります。
通常ナット交換は 5,000円(税抜き) なのですが、今回は全てこみこみで
30,000円(税抜き)
にて行います!!
細かな修理内容のご相談、金額の確認、などお気軽にお問い合わせ下さい。
メールの方は こちら から
宜しくお願いいたします。