Ovation Adamas 1587-5
Repair of the Day
Ovation Adamas 1587-5
90年代前半に作られたオベーションのアダマス。
オベーションの中でも最も上位機種です。
ヘッドの装飾も豪華
サウンドホールも割れもなく綺麗な状態でした。
弦高
ネックの状態はストレート。
弦高は3mm弱。
少し高く感じるのは、ボディトップのカーボンファイバーに歪みが。
強度を考えて作られたとはいえ、30年以上経過して徐々にブリッジ近辺が盛り上がってしまいました。
フレット詰まり
ネックはストレートだけど、ポジションによって詰まりがあります。
ネック起きが若干出ていて、ハイフレットの高さがバラつきがあります。
フレットすり合わせ
ハイフレットのみのすり合わせを行います。
12フレット以上を削りました。
最近はこんなヤスリを使っています。
フレットメーカーであるJescarの取り扱っているブランド “SUMMIT”のフレットヤスリ。
毎日使う道具なので消耗度合いが半端ないです。
一気に5本購入。
フラットにしたフレット面に丸みを付ける為、1本1本角を落としていきます。
研磨を経て、ピカピカになりました。
ナット交換
続いてナット。
3弦がかなり低く、フレットに当たっていました。
同じ牛骨へ交換。
隙間の無いように削り出し、軽くラウンドをつけます。
その後弦を張り、溝の深さを決めていきます。
ポリッシュして艶が出ました。
弦はダダリオ弦のフォスファーブロンズ
完了
ハイフレットが当たる事も無く、ビビりも解消しました。
AdamasはAdamasの音。
この独特な音質は、グラスファイバー、カーボンによるものだと思いますが、経年で音質は変わっていくのでしょうか?当時は想定出来なかったでしょうね。
ただ、木材からの脱却を考え、独自なコンセプト、フォルム、デザインを確立させたOvationに感服です。
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