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Morris S-107 – 力木ブレーシング剥がれ

Guitar Repair of the Day

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Morris S-107

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モーリスの中でも高級モデルなアコギSシリーズ。
立ち上がりが早くてダイナミクスの大きいサウンドです。

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アコギを弾いていて「低音が出なくなった」「サスティンが減った」「異音がする」などの症状はありませんか?

アコギのボディの中にはブレーシング・力木(ちからぎ)と呼ばれる板が張られています。

裏板は横に4本の物が多く、表板はバッテン・クロスして数本の力木が張られています。
これらが接着されている事で弦の張力によるたわみや歪みから守られています。

また力木の太さ強度などにより振動が変わる為、音の鳴りに非常に影響する部分です。

湿気の多い場所で保管すると湿度により水分を含み木材が膨張します。
湿度が下がった際には木材から水分が抜け縮みます。
これらを繰り返し湿度差が大きくなると接着部が剥がれてきます。

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ギターを弾くと裏板からビビり音がするなどの場合、裏板を指の関節部で叩いてみて下さい。
接着がくっ付いている部分は「カンカン」「コンコン」と響きが綺麗に鳴りますが、接着が外れ力木が浮いている部分は「ボワンボワン」「ベンベン」「ボンボン」などのように異音がします。

こうなったら早急に弦を緩めるか外し修理が必要です。

これらを放置しておくとボディが歪み、表板を支えているバランスが崩れ表板の下部が膨らんできます。

弦高が高くなったので見て欲しい、と言って持ち込まれるギターで下部が膨らんでいるものは、大抵ブレーシングが浮いて・外れています。

さて今回のギターは

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今回のギターの裏板は横に4本で無く下部はクロスとサイドに2本。

裏板を表から叩くと、とてつもない異音。
まるでスネアのスナッピーのような共鳴音。

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ブレーシング部分にスクレーパーを入れるとご覧のようにスッと入ります。

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今回は裏板の全てのブレーシング部に剥がれがありました。

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一番奥の一番角・・・

腕が入らないエリアです。

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そんな時はこんなジャッキアップを使用。
アームが付いているので奥まった場所でも上下にテンションを掛けて接着させることが出来ます。

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中から上下に持ち上げると表板・裏板が膨らんでしまうので、表からもクランプをして外れた力木だけにテンションを加えます。

これだけ外れた個所が多いと、膨大な時間が掛かります。

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沖縄もエリアによって湿度差があるのですが、相対的に湿度が極度に高いエリアです。

特に海側にお住まいのある方は、どんなに湿度対策を施しても、50%を下回ることはほぼ無理です^^

湿気が多いままケースに長期間放置してしまうと、このように塗装が白濁してくることもあります。

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表面ではなくて奥が白く濁っています。

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着色部、インレイの限界までトップを剥がし、それでも残る白濁部は熱を加えます。

この後トップを再塗装して完了。

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ボディサイドにぶつけたような凹みがありました。

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裏板もいくつか傷や凹みが。

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こちらはタッチアップ塗装でほぼ目立たなくなりました。

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裏も気にならないレベルに。

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サイドは着色部まで達していたので白くなっていますが、表面は全くデコボコもなくフラットです。

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ナットも交換しました。

隙間無くぴったり製作します。

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サドルも再度成形してピッチが合うようにしました。

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完成して音を出してみると、力木が外れていた際にいかにサスティンが失われ音量が損なわれていたのか。

全国的にも梅雨の時期に入り、ギターの水分含有量が増える季節です。
膨張したギターをケースにしまいっ放しにしていると危険ですよ!!

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