Martin OMCPA4
Repair of the Day
Martin OMCPA4
マーチンの単板エレアコ。
FishmanのF1 Analogプリアンプを搭載していて多彩なサウンドを出せます。
近年のギターはフレット、ナットをPlekで仕上げているギターが多く、精度が高くて個体差が少なくピッチが正確です。
但し機械でゲージの太さに合わせて均一に削られているので、弦の太さを変える場合は要注意。
マーチンの出荷時の弦ゲージはLIGHTな場合が多く、暫く弾いた後に一段階細いカスタムライトなどに変更した場合ナット溝がスカスカになる事があります。
こちらのギターも6弦はかなりスカスカ状態。
ビビりも大きかったです。
素材も人工樹脂系のコリアンの場合溝が削れやすいですね。
交換しましょう。
サドルはピッチ補正のされたTUSQ素材ですが、オクターブが全然あっていないとの依頼。
出荷時の弦のゲージがLIGHTで合わせてあるのですが、それでもオクターブが完全に合っているわけではありません。
弦のゲージを変えた場合、弦高を下げた場合は、オクターブが合わなくなります。
今回のようにサドルの交換を行い、改善出来ます
サドルはイントネーターという冶具を使いサドル頂点の位置をずらす事によってオクターブ上のピッチを合わせます。
サドルを外して、溝の上にイントネーターをセットします。
オクターブの合う場所へつまみを合わせます。
元のサドルの上面はこんな感じ。
イントネーターでセットした状態。
3弦、2弦はかなり改善しました。
サドルを牛骨にて製作します。
しっかり平な底面が出るように、ナット・サドル用の工具で製作。
少しキツイ位にぴったり収まるように仕上げます。
その後、先ほどのイントネーターの位置になるように少しずつサドル上面を整えていきます。
何度も弦を張ってオクターブが合うまで位置を調整します。
コンパウンドで研磨後セット。
続いてナット。
こちらも牛骨にて製作します。
今回はナット、サドル共に牛骨のオイル漬けを使用。
ナットも接着剤を使用しなくても固定出来る位、ぴったりと溝にあうように削り出します。
次に形を成形。
溝を掘りだす前にここまで仕上げます。
今回はカスタムライトなので、各弦の太さに合わせて削り出します。
高さ調整、ピッチ調整を行い、ナットを研磨して装着。
ボディのバインディングが剥がれていたので接着します。
少しずつ接着剤を入れては余分な分をふき取り、テープで固定。
慎重に慎重に。
接着が乾く間に、アウトプットジャックの修理。
音が出たり途切れたり。
ジャックごと交換します。
このマーチンのアウトはこんなボックスになっています。
スイッチクラフト製のジャックへ交換。
電池も簡単に交換できますね。
プラグのホールド感もしっかり。
音切れも皆無です。
一通り作業を終え、弦交換、トラスロッドチェック、ナット溝修正をして完了。
アコギのナット交換、サドル交換、オクターブ調整、などの修理はお気軽にお問い合わせください。
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お願いいたします。