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Headway HD-V150 – ネック調整、サドル下げ

サウンドハウス

Headway HD-V150

Repair of the Day

Headway HD-V150

インレイや作りをみると非常に丁寧に作られています。

アヴァロンがふんだんに使われており、とても豪華です。

弦高

但し、新品にて購入後数か月で非常に弾きにくくなったとの事。

弦高を測ってみると、3.8mm位。

ネックもかなり順反りです。

「買って数か月でこんなにも変化するのですか?」

多分ほとんどの方は、沖縄だからありえる、沖縄は湿度が多いのでしょうがない、という認識だと思います。

でも沖縄でも、湿度管理に気を使い、平均湿度50%は無理だとしても湿度差の無い環境で、大きなコンディションの変化も無く維持しているお客様も大勢いらっしゃいます。

ボディのトップはご覧のようにかなり変形気味。

果たして購入時はどのような状態だったのでしょうか?

皆さんギター、特にアコギを買う際に、ネックのストレート、ボディの変形をきちんと計測して買っていますか?

少なくても店員さんに、「ストレート定規貸してください」といって上記の写真のようにボディの歪みの状態を見るだけで、買うべきか買わずべきかの判断に役立つと思います。

もしかしてこのギターも、購入時に既に上記のような歪みがあった可能性もあります。

店員さんは購入者が指摘しない限り何も言いません。

触って現認してお金を払ったら最後。

特に沖縄での購入の際は、ネックの歪みとボディの変形、出来ればボディバックのブレーシングの剥がれをチェックしてみて下さい。

新品で購入して3日目にブレーシングが剥がれていることに気が付き購入店に持って行ったけど、購入後の保管方法に問題があったかもしれないとの事で、無償修理が受けれなかったというお問い合わせがありました。

今年に入っても、買ってから2日~3か月ほどの新品アコギの修理依頼がとても増えています。

どうしても店舗で触って確かめてから購入したい、という方が多いと思います。

ただし楽器屋にある状態、コンディションの見極めが出来ない限り在庫ギターの少ない選択肢の中から選ばざるを得ない為、大きな買い物-失敗 に繋がる事も多いです。

皆さん車を買うときのほうがよっぽど細かくチェックして納得して購入していると思います。

アコギは本当に、徹底的にチェックしまくって下さいね。

ネック調整

ボディトップに変形があるので、どうしてもブリッジ側が高くなっています。

一旦ネックの反りをストレートに戻して様子をみてみます。

サウンドホール内にある調整ネジを六角レンチで調整。

かなり真っすぐになりました。

サドル下げ

それでもまだ弦高が高いので、サドルの底面を削って下げます。

弦を外してサドルを取ってみてビックリ。

写真ではうまく取れなかったのですが、底面がフラットではなく斜めになっていました。

これではブリッジの溝に対し、サドル底面が面ではなく点で接しています。

振動の伝わり方が全く変わってきます。

サドル研磨用の治具にセット。

完全に直角でフラットな底面に削る為、このような治具を用います。

ベルトサンダーで大まかに研磨。

何度かフィッティングテストをして研磨完了。

ナットの溝も結構高かったですね。

ナットの溝のチェックで簡単なのは、チューニングしてみること。

開放の状態で完全にチューニングを合わせ、1フレットを押してみます。

この時1フレットを押さえたチューニングが少し高かったら、チューニングが合うまで溝を下げます。

6弦を例にすると、開放Eが完全にあっていて、1フレットFも完全に合うのが理想。

もし1フレットを押さえた時Fのピッチが高い場合は、ナット溝が高いです。

これではコードを押さえたときにコードのボイシングが微妙に狂っているので、揺らぎや気持ち悪さを感じます。

最終弦高

最終的に弦高は2.5mmまで下がりました。

ただし、ネックも真っすぐで、ナットの溝も適切に下げた状態での2.5mm。

サドルだけ削って弦高が下がっても、弾きやすくはなりますが、押さえた時の音程はあっていないでしょう。

ギターは必ず、ネックがストレートなのが基準。

そしてサドルとナットの高さがネック(フレット)に対して合っている事。

バランスの完全に合った状態のギターは、弾いただけで分かります。

このバランスの整った状態に注視しながら、楽器店で試奏する際にチェックするポイントを押さえれば、良い状態のギターに巡り合えるでしょう。

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