Ovation Super Adamas 1687-7
Repair of the Day

Ovation Super Adamas 1687-7

今年最後のリペア記事。

偶然に重なったオベーション第3弾は1983年製スーパーアダマス。

当時100万円近いオベーションの最高峰。
とにかく鳴りがハンパ無い。音量はデカいし、倍音は豊富だし、立ち上がりは早いし。
ただ40年近く経過しているのでボリュームやジャックにガリがあったり、ボディトップが変形してきているので弦高が高かったり、ネックが反っていたり。
今回は全体調整を行いながら不具合を全て解消しました。
ナット交換

先ずはナットから。
写真のように1、2弦はかなり低くなっています。

5弦、6弦も弦の溝と弦がずれているのが分かります。

牛骨製のナットを削り出していきます。

ライトを当ててナットスロットを 隙間無くぴったりと納めます。

その後バイスにセットして、ヤスリで成形します。

弦の溝はまだ掘っていません。

こちらが溝を掘って弦を張った状態。
コンパウンドで磨いたのでピカピカです。
弦高

続いてボディをチェック。
写真では分かりずらいですが表面のTOP板が波打ってしまっています。

弦高が高い時はサドルの底面を削って対応する事があるのですが、オベーションのサドルはピエゾピックアップと一体型でプラスティックで出来ています。(底面がピエゾなので削れない・・・)

仕方が無いのでサドルのスロット(ブリッジ木部)を1mmほど掘り
、サドル自体を低くセットする事にしました。

サドルトップのプラスティック部も、ギリギリまで削って綺麗にしました。

弦を張り、正しいサドル上の位置に切り込みを入れてずれを修正。

弦高も2.8mm位まで下がりました。
(当初3.5mm位)
これならストレス無く弾けるレベルです。
ジャックノイズ

続いてジャック部。
スーパーアダマスの出力はステレオ仕様。

但し、スイッチ式のジャックは今では見かけない超貴重なタイプ。

ボリューム、トーン、プリアンプの回路が組み込まれたボックス部。

中を開けてみるとトランスが組み込まれたプリアンプ部。
ボリュームポットは2連のステレオ仕様、これも今は全く見かけないタイプ。
電装パーツは全て分解し徹底的にクリーニング。ポットもジャックも変えの効かないパーツが多いので洗浄・コーティングを丁寧に行いました。

中古でも60~70万円する貴重なモデル。
ずっと弾いていたいサウンドでした。
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