Guitar Repair of the Day
Martin 000M
マーティンの入門モデル000M。
トップにスプルース、サイドとバックにマホガニーを使用したモデルです。
今回はフレットのビビりの除去とピックアップの取り付け依頼。
木材は水分を吸ったり乾燥して縮んだりを繰り返し落ち着いてきますが、年間通して気象条件や環境に合わせ常に変化しています。
湿気の少ないカラッカラなエリアで作られたマーティンのギターは、日本に入った途端に「湿気」の洗礼を受けます。
本土であれば湿度を40%~50%の環境で保てるのですが、ここ沖縄は常に50%以上がほとんどです。
季節によって湿度が低い時期があるのですが、それまでたっぷりと湿気を溜め込んだボディやネックは一気に70%から45%位に下がる事があります。
縮んだネックは指板サイドが痩せたりフレットが浮いたり、ボディはブレーシングが外れたりトップが歪んだり…
湿度の高低差を少なく一定の環境で保つのがベストですが沖縄では難しいですね。
このギターも買った時と比べれば一気にフレット浮きが出てきた印象です。
こうしてフレット用のスケールで高低差を確認すると、ガタガタと段差のあるエリアがあります。
高く浮いてきたフレットの手前のフレットを弾いた時は、隣の高いフレットに弦があたってビビりが出ます。
指板が収縮して一時的にフレットが浮くので、サイド叩く、プレスする事でフレットが収まる事もあります。
浮いて高くなったフレットをプレスし直して様子をみます。
いくつかはプレスだけでは元の高さに戻らない為、部分的にフレットの高さを落とし整えます。
平に削った上面をラウンドに仕上げ、コンパウンドをかけて整えます。
これでビビり、詰まりは無くなりました。
今回は同時にピックアップの取り付けも。
マーティンのシンライン。
ゴールドよりもまとまっていて落ち着いた印象。
ワイヤーを通す穴を開けます。
ピエゾピックアップの高さ分だけ高くなるのでサドルを削って下げます。
こちらが通常のエンドピンが付いた状態。
プラグを刺せるようにジャックタイプのエンドピンに変える為、穴を開け直します。
センターを出して穴を開けるので一旦穴を塞いで埋め直し。
こちらが取り付けるジャックエンドピン。
綺麗に穴が開きました。
ピエゾピックアップからのワイヤーをジャック内部のプリアンプへ半田付けします。
装着完了。
弦を張ってから更にサドルの高さ調整。
弦高の高さも変えて欲しいとの事だったので、6弦側で2.8mm~3mmの間にセット。
アコギのフレットビビり・詰まり、ピックアップ取り付け などはご相談下さい。
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宜しくお願いいたします。