Guitar Repair of the Day
Martin D-35
マーチンのアコギD-35。
1994年製の個体でした。
トップの下部を見ると少し歪んでいます。
光に当てるとトップのクリアの歪みが分かります。
ブリッジ近辺にストレートの定規を当てると、バインディング部とブリッジ部で高さが違うのが分かります。
トップ板が弦に引っ張られる事によって膨らんでしまうのが原因です。
ただ引っ張られて膨らむ場合もあるのですが、裏板や表板を支える力木(ブレーシング)に隙間や浮きがある事も多いです。
裏板が変形する事で、個々を支える力バランスが崩れ表板にも歪みが出てしまうのです。
今回も何か所かブレーシングが浮いていました。
接着剤を流し込み専用の治具で固定していきます。
続いてバインディング。
これもバインディングが外れ、裏板が歪んだ事によってバインディングも変形、浮きが出ていると思われます。
外れて長い事経っているようです。
接着剤を落とし接地面をクリーニング。
その後固着させます。
表のバインディングも剥がれていました。
固着後隙間をラッカーで埋め、サンディング、バフ掛け。
綺麗にくっつきました。
マーティンに限らず塗装の薄いギターは、高温多湿の環境で弾いていると、表面がベタベタしてきて塗装が剥がれる事があります。
ラッカーは塗装の際に、薄く何回も重ねて吹いていくのでレイヤー(層)が生まれます。
溶けてベタベタになった層を研磨して表面をならします。
下準備が終わったら塗装ブースに移ります。
ここで数回、艶消しラッカーをガンで吹き、薄く重ねます。
そんなに厚くならない程度に。
艶消し、サテン仕上げなのでさらっとして弾き心地が良いです。
塗装ムラ、べたつき、剥がれ、などがあっても、再度吹き付け、タッチアップ可能です。
梅雨が明けて夏になった沖縄では、各箇所の剥がれ浮き割れなどがとても多いです。
そのまま暫く弾き続けたり、放置するとどんどん変形するので、直ぐに処置する事をお勧めします。
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