Guitar Repair of the Day
Takamine EAN10C
タカミネの海外輸出仕様モデル その2。
多分確率からしたら偶然なんだろうけど、似たケースの修理が重なるのがリペアショップ”あるある”。
今回は同時期に3人の外国の方から輸出仕様のタカミネアコギの修理を依頼されました^^
今回はコロラドからギターを持って来て沖縄に着いて弦を張ったら弦高が高すぎて弾きづらい、というケース。
湿気の無い場所で整っていたネックを湿気の多い環境へ移動した場合、ボディやネックは水分を吸って膨張します。
柔らかくなったネックは順反り方向へ曲がり弦高は高くなります。
これ以上反るのを恐れて弦を外して長期間保管ケース内で保管してしまうと、湿度の低いケース内でトラスロッドの力が加わったまま水分が抜けて収縮し、ネックに捻じれや波打ちの症状が出てしまう事が多々あります。
ネックが順反りになってしまった場合、1フレットと最終フレットを同時に押えて8、9フレットと弦の下部の隙間を見ます。
だいたい0.5mm位で標準。これより高い場合は弦高を見ながらトラスロッドを回してネックをストレートに戻します。
但し完全にストレートに戻らない事も多いです。
ショップでは凹みのあるストレート定規を使ってネックの反りを確認します。
7フレット位から15フレット位まで隙間が開いている状態。
いわゆる順反りです。
弦を張った状態でチューニングをしてネック定規をあてて隙間を確認しながらトラスロッドを調整していくのですが、完全に隙間が無くなってストレートにならない事があります。
いわゆる捻じれや波打ちです。
今回は7~12フレット辺りのみ開きが大きく、他はストレートなケース。
これ以上トラスロッドを回すと、7フレットと12フレットが弦に当たってしまいます。
ギリギリストレートに近い場所まで戻しました。
弦高は約3mm位まで低くなりました。
ナットの鳴きもあったので溝を調整。
サドルも形を整えて完了。
お客様それぞれの保管場所、環境によって、どのような状態で保持すればいいのか。
ギターをお持ち込みになられた際に、ギターの状態を見ながら様々な角度から適切な保管環境のアドバイスをさせて頂いております。
アコギの調整、修理、 等は是非ご相談下さい。
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