Guitar Repair of the Day


Takamine EG523SC

タカミネの海外輸出仕様モデル。

当店に持ち込まれるアコギのうち、日本人の方で多いのがMartin,Taylor,Ovation。アメリカの方で多いのが Martin,Gibson,そしてTakamine。
アメリカの楽器店によってはかなり大きなブースで販売しているところもあるようで人気があるそうです。
問題なのが、カラッカラに乾いたアメリカ本土から亜熱帯特有の湿気の多い沖縄へ赴任してみて、こんなにも直ぐにギターのコンディションが変わってしまうのか!?という現実。
今回もボディトップは膨らみ、裏板の力木は外れ、ネックも反ってしまった、というケース。
ブレーシング剥がれ

ネックは順反り気味でした。

ボディトップはブリッジ近辺がかなり盛り上がってきています。

波打って曲がってしまっていて、バインディング付近と比べると、これだけ開きがあります。

先ずは浮いてしまっているブレーシングを修正します。
接着剤をつけてジャッキアップ。

外側からのクランプでトップの膨らみが急激に凹む(ストレートに戻る)ことはないのですが、力木を接着する為に裏板と表板をジャッキクランプで持ち上げているので、表面をストレートにクランプします。

それでも表板の裏に熱湯のスチームで湿らせる事で膨らみが少しだけ戻ります。

約2週間のクランプでこれだけ膨らみが収まりました。

続いてナット。
溝に欠けがあり、溝の太さもかなり開きがあるので交換します。

1、2弦はかなり低いのでビビりが酷かったです。

新しいナットを取り付ける為、ナットのスロットを綺麗にフラットにします。

ぴったりと収まるように成形。

今回はオーナーの希望で、スチール弦からナイロン弦へ変更したいとの事でナット溝を調整しました。

ボディ、ネックにかかるテンションもスチール弦よりは負担が減る為、ボディトップの変形も少なくなると思います。

弦はボールエンドのあるタイプを選択。

ボディが大きい分鳴りは十分でした。
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