Guitar Repair of the Day
Guild D405B 1974
ギルドの70年代のアコギです。
長い事弾いていなかったようで、全体調整、クリーニングをいたしました。
シリアルを調べてみると、1974年製。
44歳!!
使用していないと塗装は劣化、腐食してきます。
ケースの中に水分・湿気があると塗装面にカビが生まれます。
その後そのカビがラッカーを溶かし、塗装が剥がれたりボロボロになったり。
クリーナー等がない場合は、水拭きで問題ありません。
水拭き後は、水分をしっかりふき取って下さい。
上のようにベタベタになったヘッドも、水拭きだけでここまで綺麗になります。
ネックはだいぶ順反りしていました。
トラスロッドを調整しストレートにします。
サドルも頂点が無くボコボコだったので、高さは変えず頂点を整えました。
サドルトップが平な場合、弦振動が逃げてしまいます。
ナット溝、サドル頂点ともに、点で支えるように調整します。
指板には適度な保湿が必要です。
冬場などで乾燥した状態にある場合は、ベビーオイルで問題ありません。
レモンオイルやオレンジオイルなどでもいいのですが、中には接着剤を溶かす成分が入っている物もあります。
どちらも適度な量で保湿を行って下さい。
ギターを弾かない時はハードケースに入れて保管していると思いますが、そのまま弾かずに1年ケースに入れているとコンディションはどんどん悪くなります。
弦を張って緩めず閉まっておけば、ネックに負荷が掛かり反りが生じ、弦は錆びてフレットへ錆びが広がり、指板は乾燥しフレットは浮きます。
湿気が多い場所で保管していればケースで錆びが生まれやすくなります。
1年はおろか、3年、5年、10年、20年以上弾かずに閉まっているギターもあるでしょう。
今回のギターもオリジナルの状態で購入し、その後20年以上弾いていなかったようです。
弾いていないアコギはケースの中で、長い年月をかけてボディの変形やネックの反りなどが生じてきます。
10年かけて曲がったボディトップは、修理に出しても1週間~1か月では元に戻りません。
人間も日頃のエクササイズ、生活習慣、検診が必要なように、ギターも定期的に全体を調整して保持する事で長持ちしますよ。
現在の状態検診、普段の保管の仕方、日々のメンテ方法、など店頭でお尋ねください。
弾いていなかったアコギのメンテナンス、調整などは 是非ご相談下さい。
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宜しくお願いいたします。