Guitar Repair of the Day
Tomson D-38
トムソンのD-38。
ヘッドロゴはギブソンっぽくてモデル名はマーティン風。
70年代の国産ギターです。
コピーとはいえ40年以上経ったスプルースはカラッカラでとても良い鳴りでした。
ただ、ブリッジ近辺のトップ板が変形してしまいトップがかなり膨らんでいました。
トップ板の変形の場合、上からクランプして中からスチームをかけ変形した板を矯正するのですが、ブリッジ付近のみ盛り上がって膨らんだ場合は特殊な鉄板にて矯正します。
一旦ブリッジを剥がします。
熱を加えながらクランプして全体に熱が伝わり接着剤が溶けだしたら、スクレーパーを入れて徐々に剥がしていきます。
今回は少し木がめくれてしまいました。
かなり強力に接着されていたので、今まで浮いたり剥がれたりしないでトップ板を変形されてしまったのでしょう。
トップ膨らみの修理専用の鉄板です。
70度位のお湯に付けて温度を上げ、2枚の鉄板を内部と外部から挟み込みます。
鉄板にはラウンドがついており膨らんだデコボコを水分と熱で押さえつけ、木を真っすぐに戻していきます。
時間は掛かるのですが何度も繰り返す事でかなりフラットに戻ります。
トップ板の内部と表面にたっぷりと水分を含ませて熱い鉄板を挟みます。
この状態で1時間位おいて、再度鉄板を温めやり直します。
2度目は別箇所も木片でクランプして暫く放置。
こちらが数日後の状態。
フラットとはいきませんでしたが、かなり改善しました。
ブリッジ面が斜めになっていたのと比べればかなり真っすぐになりました。
ブリッジ底面を綺麗に整えて接着します。
こんな状態で暫く放置。
1週間くらい置いておきました。
続いてナット。
溝が極端に広がってビビりが出ていたので牛骨を成形して作り直します。
スロットにぴったりと収まるようにフィッティング。
弦のゲージに合わせてナット溝を掘ります。
サドルは元々の物を削り弦高を調整しました。
最終的に弦高は 3.2mm位になりました。
ローポジションを弾く分には全く問題無い高さになりました。
トップが変形して弦高が高く弾きづらくなったギターも修理可能です。
アコギのトップ膨らみなどの修理、メンテナンス 等は是非お問合せ下さい。
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