Takamine NPT-05N
Guitar Repair of the Day
Takamine NPT-05N – Loose Bracing
タカミネのアコースティックギターNPT-05N。
過去に何度かこのモデルの修理を行いましたが、みんなブリッジ絡みの修理。
今回はトップに亀裂が出来てしまったケース。
縦に亀裂が入っており、ブリッジも少し浮いています。
反対側も亀裂があります。
一旦ブリッジを剥がします。
熱を加えますが、中々剥がれてきません。
なんとか剥がし終えると、内部がボロボロ。
中心部がかなり変形していて、ブヨブヨになっていました。
亀裂部を叩くと、なんだか変な音がします。
ブリッジの真裏を見ると、案の定浮いていました。
トップ板がかなり柔らかくなっています。
他にもブレーシングが浮いている箇所がかなりありました。
初めから大量の接着剤で固定されており、そこの箇所が変形しているようです。
内部の浮いている箇所を固定し、その後ブリッジを固定。
亀裂のあった場所も、接着、艶消しクリア。
1週間位、固定しました。
接着は大丈夫そうです。
浮きも無くなったので、鳴りもカラッとしたサウンドに戻りました。
元々トップ板が乾いて非常に鳴りが良い個体なのだと思います。
沖縄は思っている以上(想像の100倍!!)に湿度の差が大きく、膨張しては縮むのを繰り返すので、直ぐに接着が剥がれます。
ネックを緩め弦のテンションを緩めたら緩めたで、ボディやブリッジ付近への負担は軽減されますが、ネックのテンションが無くなるので、トラスロッドが効いて逆反りになります。
極力湿度50%なら50%、例え70%なら70%のまま、一定に保つのが一番ベストです。
ケースに大量に乾燥剤を入れて、ケース内の湿度を測らないまま(およそ40%を切る低湿度)ギターを入れっぱなし。ケースの外は高湿度。実はケースに入れっぱなしは一番過酷かもしれません。
必ず湿度計を置いて、保管環境の数値を計測してみて下さい。
ギター、ベース等の修理は お気軽にご相談下さい。
お願いいたします。