Amp of the Day
Marshall JCM2000 TSL100
ノイズが増えてきてスイッチングのノイズもあり出力も不安定という、典型的な JCM2000の症状。
裏のパネルを開けてみると、一度も開けていなかったのか、埃やゴミがいっぱい。
プリ管などの隙間から、こうした塵や埃が内部に入っていきます。
取り出した真空管は、全て真空管チェッカーにてテスト・計測します。
修理で持ち込まれるマーシャル JCM2000の故障・トラブルは似たケースが多いです。ハムノイズが増えてきた、出力が不安定、音が小さくなった、などなど。
故障の原因は基板に問題がある事が多く、メーカーでは基板交換にて対応していたみたいです。
沖縄の場合、基地内にて使用している外国人も多く、アメリカから基板を取り寄せて、差し替えてくれ というお客さんも多いですね。
海外のマーシャルのフォーラム(修理掲示板)などでも基板不良という事が多く語られており、バージョン違いの基板が作られていたようです。
パワー管を計測すると、かなりバラつきがありました。
出力管をマーシャル純正のEL34へ交換しました。
JCM2000は、背面パネルにバイアス値を計測出来るピンが出ています。
こちらにテスターを繋いで、2本づつ合わせていきます。
フットスイッチのケーブルの被膜が切れて中がむき出しになっていました。
専用のペンチを使って取り外します。
基板のレイアウトを、パソコン画面で設計するようになり、パワー管周りのスペースはどんどん狭くなっていってますね。個々の機器のエラー率、故障率、クレーム率、交換コスト、などをトータルで鑑みて利益が上がっていれば良し、満たない機器は生産完了、次へ・・・まるで電化製品や車のような販売行程。トラブルは起こるもの、という前提の元に “直して” “長く” 使っていく、という発想は、現在の製品には皆無です。
古い機材、新しい機材でサウンドの違い、使い勝手の違い、好みの違い、等あるので 評価は一長一短ですが、修理屋泣かせな製品が増えているのは、どの業界も同じなのかもしれません。