Guitar Repair of the Day
GIBSON J-50
ネック裏の塗装剥がれとブリッジの剥がれ修理でした。
ブリッジはかなりの隙間が出来ていました。
隙間から接着剤を注入しクランプする事もありますが、今回は両サイド共に浮いていたので、一旦ブリッジを剥がして再度接着、固着します。
ネック裏は塗装が溶けて、部分によっては剥がれがありました。
フィンガリングによっては手のひらに違和感があります。
ラッカー塗装はニトロセルロースをシンナーで薄め吹き付けていくのですが、吹き付けたシンナーが完全に抜けきってから次の層のラッカーを重ねるので、多い場所で 吹き付け-乾燥-吹き付け-乾燥 という作業を10回以上繰り返します。
その為通常のウレタン系の塗装に比べ、作業時間が掛かり、費用も高くなります。
シンナーが抜けきるまで乾燥させ層を重ねていくので、紙ヤスリで剥がしていくと下の層が徐々に出てきます。
割れたり剥がれたラッカーを薄く薄く丁寧に剥がし、塗装前の下地を作ります。
一番最初に吹き付ける層は、下の乾燥したラッカー層の上に重ねるので、少しシンナーを多めに配合し、重ねるラッカーで溶かすイメージで吹き付けます。
何度も何度も重ね、乾燥させていきます。
数回重ね、完全乾燥を待ちます。
数日経ち、乾燥を待つ間にブリッジの作業を行いました。
まず、ブリッジに熱を加え剥がしていきます。
綺麗に剥がれました。
浮いたブレーシングを接着しリフトアップし、トップ面はクランプして挟みます。
浮いたトップ面の内側にスチームを吹き付け、1週間ほどクランプ、スチームを繰り返します。
ブリッジ底面を綺麗にし接着します。
アメリカにいる知り合いのリペアマンが、面白い製品があるとダンボール一杯に製品を送ってきてくれました。
GORILLAなる製品で、様々な接着剤、テープなど一式、色々リペアで使った感想を聞かせて欲しいとの事。
今回はブリッジに使ってみます。
かなり強力そうな接着剤です。
クランプをセットしながらこぼれ出た接着剤をふき取っていきます。
ぴったり接着出来ました。
塗装後数週間の乾燥を待って水研ぎ研磨に入ります。
綺麗に馴染んでます。
2000番まで研磨を行い、バフで最終研磨。
ラッカーはバフを掛けると生まれ変わりますね。
この艶と手触り。
現在お持ちのギターで、ウレタン系の塗装であっても、表面を薄く研磨して剥ぎ、ラッカー塗装を重ねる事も可能です。
最近のフェンダーなどは、トップのみラッカーな機種もありますね。
やはりラッカーにはラッカー独特の手触りがあって、このほうが馴染む、という人も多いと思います。
ナットも交換しました。
牛骨オイルナットへ交換。
牛骨ナットは磨けば磨くほど艶艶になります。
サドルも若干下げて調整しました。
ボディのトップもバフ掛けしたのでピッカピカになりました。
ラッカー塗装されたギターの保管・管理には注意が必要です。
ギターを弾いた後、汗が付着したネック裏。そのまま拭かずにケースにしまった場合、ケースの内張りに汚れが付着しカビが発生しネックの塗装面へダメージを与える事があります。
特に夏場などに温度の高い場所で保管した場合は、ケースの中はかなりの高温になります。
ケースの中は密閉された状態でカビも発生し高温他多湿な状態・・・
ケースにしまう前には必ず全体をクロスでふき取り、ケースの中には長期間保管しない事をお勧めします。
ケースはあくまで移動用の保護ハードケースとお考え下さい。
年間通して湿度が低く温度管理に適したエリアなたまだしも、沖縄での保管の場合は細心の注意が必要です。
お店に来店されるお客様から
「じゃあ沖縄でラッカー塗装されたギターを保管するには どうすれば良いですか?」
という質問を沢山頂きますが、高いギターでデリケートなギターであればあるほど、お金をかけて保管環境を整え、丁寧に小まめにケアを続けるしかないです、とお答えしています。
全世界的にみても1国で亜寒帯・温帯・亜熱帯のエリアにまたがる国土は珍しく、そこでの楽器管理の答えに これだ というものはありません。
沖縄では沖縄ならではのケア・管理が必要です。
アコギのブリッジ剥がれ、ブレーシング接着、再塗装 などは 是非ご相談下さい。
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宜しくお願いいたします。