Repair of the Day
GString Ukulele M1 Standard
離島のお客様よりウクレレの修理依頼。
間違えて座ってしまったそうで、かなり激しくトップが割れてしまってします。
中央部も凹みが大きく、冶具などを使いながら徐々にフラットに戻す作業を行いました。
先ずはブリッジを外します。
熱を加えながらスクレーパーを差し込み、ゆっくりと接着剤を溶かして外していきます。
ある程度熱が均一に加わると、スーッとスクレーパーが入っていきます。
無事にブリッジが剥がれました。
剥がれた跡を見ると、どんな風に接着剤が付いていたのか分かりますね。
その後トップ板の隙間に刷毛で薄めた接着剤を流し木に浸透させます。
そしてピアノ線で表から吊り上げ(引っ張りあげ)ながら裏面にパッチを当てていきます。
途中途中にストレートの木片をクランプさせながら歪んだトップをフラットに矯正していきます。
少しずつ場所を移動してパッチを当てていきます。
クランプの場所を少しづつ変え、中のブレイシングも固定していきます。
特に中央部分の凹みは、急がず、ゆっくり、徐々に熱を加えたステンレスを内側に入れ、水分を加えながら歪んだトップをフラットにしていきます。
この時点で最初の写真の割れた印象は無くなっていますね!!
段差を研磨し着色へ。
この時点で割れ目の後は殆ど見えなくなっています。
着色後にシェラックを何層か塗り、ブリッジを固着させて完了。
ビフォーアフター
サテンフィニッシュだったトップでしたが、割れ目を目立たなくするため、トップ全面をラッカー塗装致しました。
離島からお送り頂いたお客様でしたが、完了後の状態をとても喜んで頂けました。
いつも文字にするとあっという間ですが、長い道のりでした。
ウクレレの修理を諦めて置きっぱなしにしている方は意外に多いみたいです。
是非ご相談下さい。
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