Amp Repair of the Day
Fender Vibrolux Reverb
1974年製フェンダー ヴァイブロラックスリバーブ。
当時日本に輸入されたモデルで117V仕様でした。
真空管は様々交換されてきたようですが中身は当時のまま。
埃もなく、基盤にカビも無く綺麗な状態ですが40年以上経過しているパーツです。
はんだのクラックなどもみられます。
パワーが無くなってきたのと出音が歪みっぽいとの事でオーバーホール致しました。
アンプスタンドにセットして作業していきます。
元々Vibrolux Reverbは小さなボリュームでもドライブしやすいアンプですが今回の場合は明らかに劣化パーツによるオーバーロード。
こちらがフィルターキャパシター。
蓋を外してみると・・・
ご覧のような状態。
フィルターキャパシターは液漏れが酷く出力管も消耗が激しかったです。
キャパシター/コンデンサーは容量があり、使用していなくても経年で劣化していきます。
膨張するものもあったり、液漏れを起こす物も多いので交換が必須です。
キャパシター、抵抗を新品に交換しました。
液漏れがあった基盤も綺麗に洗浄しキャパシターをセット。
メインボードは一つ一つパーツを外し数値を測りながら劣化部分を交換します。
入力ジャックも交換。
昔昔アメリカを車で横断しながら各地のアンプリペアショップを回り、沢山のリペアマンの方と知り合いになりました。アンプ・ラジオパーツの蚤の市に連れて行って貰ったり、戦前戦後からの膨大なパーツをストックしている倉庫に連れて行って貰ったりしながら、貴重な抵抗、コンデンサー、ワイヤー、パーツのストックを分けて貰ったりしました。
まだ数十万個以上のAllen Bradley製の抵抗を在庫していますが、使用する時は一つ一つ数値を測りセレクトしながら使用するので、パーツのランク分けも クラスA、クラスB、クラスC、などと分けながら適材適所に割り当てていきます。
クリーンサウンドで使用する事が多いので全体的に歪みを抑えた数値にてパーツを選定しました。
ノーマルチャンネルはオリジナルと同じように少しクランチっぽく。
ヴィブラートチャンネルはヘッドルームを大きく艶のあるクリーンサウンドに。
テスターやオシロなどの測定器を使って数値を見ますが、最終的にはギターを繋いで音色を確かめながら音色決定を行います。
何万通りの組み合わせを行いながらの作業なので時間も掛かります。
持ち込まれた際に使われいたのがTube Amp Doctor 通称TAD製の真空管。
測定するとFail。
切れています。
1本は切れていたので新品ペアに交換しました。
プリ管も再度選定し、パワー管はバイアス値を合わせます。
オリジナルのスピーカーも少しパワーが無い感じ。
Jensen製のスピーカーに交換しました。
元気のあるサウンドに蘇りました。
殆どのギター、ベース用のアンプ修理を行っています。
メーカー、モデル名などをお控えの上、 メール、お電話にて 是非お問合せ下さい。
メールの方は こちら から