Amp Repair of the Day
1972 Fender Princeton Reverb
リペアを生業にしていて様々な”伝説のアンプ”に出会いますが、
このアンプは、今までのリペア品の中でも、TOP 5に入る化け物アンプでした。
お客様が入手された経緯から、一度もリペア歴が無く、POTのガリ、ハムノイズ、出力不安定、
等々、総オーバーホールが必要な状態でした。
数値の出ていないもの、焼けの見られるもの、錆び、不良配線、大量のフラックス、等々
ここは基板を全て 作り直しましょう。
当時の使えるパーツは移植にて、抵抗はAllenのストックから全て交換へ。
真空管も当時の貴重なRCA管から、新品へ。
結構、初段のプリは選別しました。
整流管は、ピッキングの初速のアタック感が気持ちいい、Solid Stateのイエロージャケットへ。
熱の心配もTubeに比べると、ほとんどトラブルありません。
販売当時にこのアンプを鳴らした人は、こんな衝撃だったんでしょうか?
艶といい、アタックのキレといい、リバーブを掛けた時のサーチレーション感といい、
絶品のアンプでした。
このアンプが入院している時、よく店に遊びに来る近所のアメリカ人ブルースマニア達が、
工房のリペアテーブルに置かれた銀パネルを見つけるや否や、これ幾らだ?売る気はあるのか?
お客さんに売るように聞いてみてくれないか?アメリカのebayで見つけたら同じような改造を
してくれるのか?完成したら音を聞かせてくれ?等々
しつこいほどチェックしに来ていました^^
完成した音を聞いてみて感想 「とりあえずビール飲むか?」 って大爆笑でした^^
余計な装飾なくても、指だけでトーンが操れるアンプ、そんな印象です。
機会があれば復刻版を入手して音を比べてみたいものです。
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